PCBとは
PCBとは「ポリ塩化ビフェニル」の略称で、人工的に作られた、主に油状の化学物質です。
化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、
ノンカーボン紙など様々な用途で使用されていましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。
高濃度PCB廃棄物 | 低濃度PCB廃棄物 微量PCB汚染廃電気機器 |
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処理期限変圧器・コンデンサー等:2022年3月31日 安定器及び汚染物等:2023年3月31日 (北海道・東京事業エリア) |
処理期限2027年3月31日 (全国共通) |
PCB濃度が0.5% |
PCB濃度が0.5% |
代表的な使用機器は、蛍光灯・水銀灯の安定器、高圧変圧器やコンデンサー等 |
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1972年以前に建築された建物は要注意!! |
必ず分析を実施する必要があります。 |
処理期限について詳しくはこちら:PCBの処分期限(環境省リンク)
PCBの毒性
脂肪にとけやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。
PCBが大きく取り上げられる契機となった事件として、1968年(昭和43年)に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件があります。
カネミ油症事件は、昭和43年10月に、西日本を中心に、広域にわたって発生した、ライスオイル(米ぬか油)へのPCB混入による食中毒事件です。症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。
参考資料 環境省広報誌「エコジン 2017年10-11月号」
リンク:https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/issues/17-11/17-11s/HTML5/pc.html#/page/16
知らないまま放っておくとこんなことに…
漏洩等事故の事例
- 事例1
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過去にPCB有無の調査を行ない、該当する器具は処分してもらったにも関わらず、授業中、黒板用の蛍光灯安定器(昭和44年製)1個が破裂し、中の油が漏洩する事故が起きました。
異変に気付いた教員がすぐに学生を室外へ避難させたため、体調不良を訴える等の健康被害は認められませんでした。電気工事業者により、この油の成分を分析調査した結果、PCBを含有していることが判明しました。 - 事例2
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公民館ホールに設置していた古い蛍光灯安定器のコンデンサから有害物質のPCBを含んだ油が舞台の床に漏れる事故が発生しました。同公民館は1971年の建設で、当初は雨漏りだと判断していました。
漏れた油は微量でしたが、同型式の蛍光灯安定器は玄関部分を含めて十数基あることが判明しました。
漏洩事故は一度PCB調査をした建物でも起きています。
→サンプル調査は詳細がなく、明確な不含有証明がないことが原因。
処理期限後にPCB廃棄物が発見された場合…
- 北九州事業地域における処分期間後の新規発掘事例
-
九州・中四国・沖縄地域の処理完了期限となった2019年3月末以降、未処分のまま保管されている機器が90件見つかりました。
現在、北九州市内にある処理施設は解体作業を進めており、処分は宙に浮いています。処理施設ごとに担当地域が決まっており、環境省令で別の施設には持ち込めないよう定められている為、完全廃棄に向けた処理計画の見直しをする必要があります。
法律〔罰則規定〕
令和9年3月31日までに適正処理を行なわず、環境大臣または都道府県知事による改善命令に違反した場合 | 3年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金または併科 |
PCB廃棄物を譲り渡し、又は譲り受けた場合 | 3年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金または併科 |
PCB廃棄物の保管及び処分の状況に関して都道府県知事(政令で定める市にあたっては市長)に届出をしなかった場合、または虚偽の届出をした場合 | 6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
PCB保管事業者の相続、合併または分割により事業を継承した法人の継承の無届、または虚偽の届出をした場合 | 6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
不法投棄 | 法人には3億円以下の罰金 |
PCB等の特別管理産業廃棄物の収集運搬や処分の無許可営業、措置命令違反、投棄等 | 5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、または併科 |
基準不適合な収集運搬・処分業者への委託等 | 3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、または併科 |
マニフェスト不交付、虚偽記載、報告義務違反および保存義務違反 | 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
PCB等の特別管理産業廃棄物の管理責任者をおかなかった場合等 | 30万円以下の罰金 |
今確認すべきこと
NO/わからない
建物の建築・改修年が
1977年(昭和52年)3月以前である
NO
変圧器やコンデンサーの
低濃度PCB含有調査※1
YES
調査書類・分析結果を大切に保管し、調査内容を第三者に説明できるようにしてください。
※1 蛍光灯用コンデンサーの中に微量のPCBが混入している可能性があります。1990年前後に建てられた建物にも使用されている場合がありますので、調査が求められます。
近畿環境保全株式会社はPCB含有調査から廃棄物処理、報告書作成、助成金支援制度の活用までトータルでサポートいたします。
近畿環境保全は、一般社団法人日本PCB全量廃棄促進協会の正会員です。
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